1: yomiφ ★ : 2013/10/03(木) 22:31:33.01 ID:???
 スウェーデンをはじめ欧州、そして世界では、特に2000年初頭から「ドラゴンボール」
「ナルト」「ワンピース」をはじめとする日本のマンガが大きなブームとなっている。

 スウェーデンの高校で日本語を教えているが、最近の生徒は日本製のアニメやゲームなどで驚くほど多くの単語を学んでいる。

 彼らの、どちらかと言うと逸脱したスラングだらけの日本語の知識と、「です・ます」体で書かれた
一般的な教科書とのギャップを説明するのに、全世界の日本語教師は四苦八苦しているはずだ。

 スウェーデンで2002年から開かれているアニメとゲームのフェスティバル「ネルコム」には、
この夏は5000人を超える若者が集い、アニメの主人公に扮するコスプレやゲームの腕を競う催しなどを楽しんだ。
筆者がこのフェスティバルの存在を知ったのは、夏休みに入る直前に生徒が数人やって来て、
「センセー、浴衣持ってたら貸して下さい」と言ってきたからだ。

■スウェーデンのマンガ翻訳家に無罪判決

 「マンガ絵は児童ポルノか否か」を巡って争われていた裁判で、スウェーデン最高裁が
「マンガは児童ポルノではない」という判決を下したのは昨年6月だ。
これは、少女の裸体などが描写されたマンガの絵をパソコン内に保存していた
マンガ翻訳家シモン・ルンドストルム氏(38)が「児童ポルノ所持」の罪で起訴されていたものだ。

 これに対し、スウェーデン最高裁は「マンガはポルノ的ではあるものの想像の産物であり、
現実の子供を描写したポルノではない」という判決を下し同氏を無罪とした。
無罪の理由として、最高裁のヨーラン・ランべルツ裁判官は
「スウェーデン憲法の言論の自由と情報の自由の原則に照らし、無罪とするのが妥当であると判断した」と話している。

 国内有識者の間では、この判断は概ね「妥当な判決である」として歓迎された。
一般的にも「漫画・アニメ・ゲームと現実は別物だ。きちんと区別されるべし」「被害者はどこにもいない」
「実在しない人間に対して罪に問われるなら、小説や漫画の中で殺人を犯したら非実在殺人になるのか」という意見が散見された。

 晴れて無罪となったルンドストルム氏は「マンガを所持していることが『犯罪』なのか?我々は最初から馬鹿げているとは思っていた」
「自分はもちろん安心したし、スウェーデン全体の法制度が守られたという点で非常によかった。マンガを描く人も読む人も、犯罪者ではない」と話している。

 なのだが、結審した翌週、米国のエリック・ホルダー司法長官とジャネット・ナポリターノ国土安全保障長官が
「安全保障に関して米国と欧州連合(EU)で協力していく」という協定を携えて欧州に乗り込んできた。
この協定には「ネット上の児童ポルノを根絶する」ことが含まれているのだが、これに当時のEU議長国だった
デンマークのモーデン・ブトスコウ法務相が合意のサインをしている。

 同相は「児童の性的虐待とネット上のポルノ的なマンガに関連があることをはっきりさせたい」とし、
さらに「ひどい内容のコンテンツがネット上に存在し、これに対しEU内でも努力してきた。
今回米国との間で新たに合意されたこの協定によって、国境を越えた警察権力と監視体制が強力になる」と話している。

 こうして欧州では、ネット上のコンテンツに対する監視と検閲が強化されるかに見えた。

■エッチなマンガは犯罪を誘発するのか

 「児童の性的虐待とマンガの絵には関連がある」「ネット上のポルノ的なマンガは犯罪を誘発する」というのは本当だろうか。
児童のポルノ的なマンガの絵を見た人が、実際に児童への性犯罪を犯しているのか。
ネット上のコンテンツに対する検閲と監視を強化し、エッチなマンガを全部この世から抹消すれば幼児虐待がなくなるのか? 

 上記の米・EU間の協定締結に対し、直ちに憂慮の声を上げたのは同じデンマークの前法務相ラース・バルフォロ氏だ。
同氏は「想像上の産物と児童への性的虐待に関連があるという科学的な証拠はない。
2010年に法務省が依頼して行った調査での結論は、マンガと性的虐待に明確な関連はないということだ」と発言した。

 また、この調査を行った医師のエリズ・クリステンセン氏も、マンガを禁止することは全くの見当外れだと話している。

 「社会の管理体制をそれほどまでに強化することが、子供への虐待を減じることになるだろうか。
マンガに害があるということは証明されていないので、私の意見はマンガという表現の自由をより尊重しなければならないということだ」

>>2へつづく)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38819

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